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イタリア道中7 [ア−トとの遭遇]

ガッラ・プラチディアと同じ敷地にあるのはサンヴィターレ聖堂。これまた古い木版画にでもありそうな建物。両脇のつっかい棒みたいなモノは本当に「つっかい棒」らしいです。
皇帝礼拝堂外.jpg

入ると、ここもまたプラチディア同様に外観とは予想もつかない華麗で荘厳な世界。
ヴィターレ奥.jpg

ラヴェンナは西ローマ帝国やビザンチン帝国西側の首都だった街。皇帝ユスティアヌスが建てたのがここ。なるほど贅沢!
1皇帝.jpg

窓の上に描かれているのは若きイエス。生き生きとした青年の、生気に満ちたお顔。モザイク画でこんなに生々しい描写が出来るとは本物を見るまで知らなかった…。
イエスお顔.jpg

一般的にイエスと言えば髭が生えているけど、この聖堂が出来た頃は若々しい髭の無いイエスが多かったとか。窓の左側にはユスティアヌス帝がお供と共に。
皇帝お顔.jpg

その向かいは妃のテオドラ。ダンサーからお妃に上り詰めたとか。なかなかな女丈夫で、皇帝より肝が据わっていたエピソードあり。女性のために善政も行ってくれたとか。
妃モザイク.jpg

お妃様の侍女たちもオシャレで美人揃い。でもしっかり者の妃がいたんじゃ、浮気は出来なかったかな。
この聖堂も旧約、新約の聖書のエピソードとか聖人たちがびっしり描かれています。
ヴィターレ物語.jpg

床にもモザイク
ヴィターレ床.jpg

この2つの遺跡を見た後にあと2つ、遺跡を見に行くのですが、ここでラヴェンナの街の様子をちょこっと。
大通りを歩いていたら人懐っこいおじいさんに話しかけられました。ナポリ、モデナ、ラヴェンナ、街や建物は少しずつ違いがありますが街の人が、陽気で人懐こいのは共通しています。
ラヴェンナ街角2.jpg

カラフルな傘のアーケード。慎ましい商店街の中に可愛い雑貨屋さんがありました。
ラヴェンナ街角3.jpg

工事中の囲いに書かれたイラスト。ボッティチェリっぽく描いてあるのがイタリアっぽいなあ、とウケていました。
ラヴェンナ街角.jpg

さて最後の遺跡も2個セット。ネオニアーノ洗礼堂と大司教博物館。外観はこんな。
洗礼堂と博物館.jpg

洗礼堂には大きめの銭湯湯船みたいなプール(水は入っていません)があったのですが、画像撮り損ねました。堂内は小さく外光がふんだんに差し込みます。壁際に椅子があるので、そこに座って背もたれに頭を載せると疲れることなく天井を鑑賞できます。
洗礼堂天井.jpg

歩き草臥れたこともあり、結構長い時間、天井を眺めていました。時間が経つにつれ、モザイクの金に光る場所も移って行きます。中央は洗礼者ヨハネとイエス。あれ!イエスの性器が描かれている!たいていは腰布とかで覆われているのに、そういうタブーが無かったころの作なのかな。
洗礼堂イエス.jpg

ヨハネとイエスの周りに描かれるのは12使徒。これまたけっこう写実的な描写でした。モザイク画って色の制限もあるし平面的なのかな…と思っていたのですが(図鑑になると微妙な色合いは飛んじゃうし)。しかし今回本物を見たら絵の具を使って描くのと大差ない立体感が出せるということが分かりました。しかも日光や経年による退色もないのでとっても鮮やか。金色もふんだんに使ってゴーヂャスな仕上がり。行ってよかったラヴェンナ!
あ、まだ大司教博物館が残ってました。
たぶん大司教が座っていたと思われる椅子。精密な彫り物で聖書の物語がいくつも表されています。他にもいろいろ見どころがあったはずなんですが、なにせ今まで見てきたモザイクが素晴らしくて、博物館は記憶が薄い…。
博物館の椅子.jpg

文字で終わるのもナニなので最後にモザイク画を大きめに載せてみましょう。
結び.jpg


ふう、またしても長い旅日記になってしまいました。そうそう、最後に訂正が。ナポリの博物館、領主の館だったのではなくて16世紀に馬の調教場として建設された後、大学となり1800年代に博物館となりました。収蔵品の始まりと発展にナポリ王家が関わっていたのだそうです。
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