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アート展のお知らせ [ア−トとの遭遇]

モタモタしてたら明日が初日になってしまいました。私が個展でお世話になった画廊さんが主催のアート展です。約120人の参加で、平面作品、立体作品、個性的な作品で見応えあります。
・横浜赤レンガ International Art Exhibition 2023
期間: 9月27日(水)〜10月2日(月) 11:00〜18:00 (最終日は14:00終了)
会場: 横浜赤レンガ倉庫1号館2Fスペース

私は着物の少女人形1体と少女胸像2体を展示しています。
着物の少女、タイトルは「花野風」秋の季語から見つけた言葉です。華やかだけどちょっと寂しさもある、という意味が少女の着ている着物の柄にぴったりかと思いました。
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少女胸像は「秋の ことり:樹の実」
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「秋のことり: 白露」
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搬入で赤レンガ倉庫に行ってきましたが、とっても素敵な建物です。ビール祭りも始まるみたいです。ぜひご覧ください。
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篠原先生の画集 [ア−トとの遭遇]

何やら厚めの封書が届き、開けてみると篠原栄太先生の画集だった。篠原先生には大学時代「文字デザイン」という選択授業でお世話になった。当時先生はTBSの現役の美術部長。ドラマやエンタメ番組で先生のタイトルデザインがバンバン流れていた。ものの捉え方がとても柔軟で、生徒を育て可愛がってくれた。顔が広く私たちをいろいろな現場に見学に連れて行ってくれた。
文字デザインの他にも多彩で行動力のある先生は10年ぐらい前、製本講座に通ってありとあらゆる技法を学び、自身のアート作品をそれに合う技法で素敵に製本してそれらを作品集として出版した。作品展に行って篠原先生の製本の素晴らしさ、作品の並外れた美意識を見て「製本講座の講師はさぞやびっくりしただろうね(篠原先生のあまりのレベルの高さで)」と皆でうなずきあった。
今回届いたのは、先生が73年の4月から81年の4月まで東京都の広報誌に表紙絵を描いていたものをまとめた画集だった。絵も才能があったのね、オールラウンダーとは先生のことだと改めて思う。
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強く激しい絵もあれば穏やかな風景画もある。
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奥様が書いた各月の詩も読んでいるとその頃の自分や世の中のことを思い出す。良い贈り物をいただいたな。授業を受けてから、もう長い年月が過ぎたのに今もこうして先生と繋がっていられるなんて、学生だった頃は想像もしなかった。

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小さな小さな小さな陶芸展に行く [ア−トとの遭遇]

バタバタしているうちに先週のことになってしまいました。友人のやまざきじんこさんの作品展に行ってきました。じんこさんはとっても小さな陶芸のかわいいものを作っています。昔から小さなネコを作っていたけど、小林礫斎先生の超絶ミニチュアを見てからその小ささに磨きがかかってます。可愛いほんわかした優しい作風で、小さい物好きにはたまらない!私は今回、繋がった雨だれ君をゲット。以前にゲットした作品と(最高に小さいもの達もあるんだけど、ちょっと映らないと思うのでパス)今回のDMで記念撮影してみました。
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横須賀美術館に行く [ア−トとの遭遇]

横須賀美術館で開催中の「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」展を見に行きました。横須賀美術館はとっても素敵な建物、隣接して谷内六郎美術館もあります。
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美術館入り口横にはパリーですか?てな洒落たテラス席もあるレストラン。いいなあ…なんて羨ましがりつつ中へ。仏像、もちろん素敵。良い感じに展示しているので背中側まで回って見ることかできます。横顔がとても端正。昔、モデルのはなさんが「仏像は美男」という様な話をしていたのを聞いた時はピンと来なかったけど、さもありなん。ポーズや背後の火炎とかもカッコいい。ミニチュアフィギュアってあるのかな、欲しい!
仏像も良かったけど江戸の頃の読み本(だったかな)の見開きの木版画が凄くて、合戦の様子を描いているのだけど、躍動感あふれる細密描写に魅了されてしまいました。これのレプリカお土産売り場にあれば良いのに。
ゆったりと展示してあったので、結構大勢の観客が居たのに自分のペースで見て回ることもできました。
 所蔵品展も楽しめ、気分良く美術館を出ると、ここの1番の「ウリ」、素晴らしい眺望が。
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海を行き来する大型船を飽きることなく眺め、今年やっと夏らしいことをしたなあ…夏の思い出がやっと作れたなあ…と満足して帰りました。」



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写真展に行く [ア−トとの遭遇]

先日、今道子さんの写真展を見に鎌倉まで行ってきました。チラシを見て「銅版画みたいな写真だなあ」と興味を惹かれ、実物を見てみたくなりました。
せっかくなので鶴岡八幡宮も参拝し、修学旅行らしき中学生を眺めつつ「中学生のワタシ」妄想を楽しみ、豊島屋で新しい鳩サブレグッズもチェック。
会場は八幡宮からすぐ近くの素敵な建物でした。で、作品を見たのですが…。大きな画面で見るとその迫力と圧力は予想以上でした。語彙が貧しくて表現に困るのだけど、この感じ、前にもあったなあ…と思い返してみると、ヤン・シュバンクマイエルの作品を見た時。その10倍濃い衝撃、とでも言いますか。
実物を見た今となっては、チラシに刷られた作品を見ても動悸がしてきます。
・フィリアー今道子 展 神奈川県立近代美術館鎌倉別館 1月30日まで
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大タイガー立石展を見に行く [ア−トとの遭遇]

埼玉でタイガー展をやっていると言うので電車でGO! 千葉は遠いけど北浦和なら京浜東北で行けちゃう。お天気も良いし展覧会鑑賞日和。
埼玉県立近代美術館とうらわ美術館の同時開催。近代美術館は素敵な公園の中。色付いた木々がとてもきれい。
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風景に紛れ込むタイガー展の看板
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覚悟はしてましたがとんでもない量の作品!スランプなんて時間がもったいない、と言っていたそうですがいつ休んだのかな?と思ってしまうぐらい。しかも全部の作品が非常にエネルギッシュ。
近代美術館ではいくつか写真撮影OKなものがありました。

ピサの斜塔がどんどん変化
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まんがも油絵作品も凄まじいパワー!こんなになんでもできる人っているのね。晩年(と言ってもまだ若い)に制作したと言う立体作品も、もう、てんこ盛りの内容。一つ欲しいかな、なんて思ったけど大富豪の広ーーいお部屋じゃないとパワー負けしそう。ピカソとその作品をモチーフにした立体作品の裏側を撮ってきました。
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うらわ美術館の方は小規模と聞いていましたがこちらもたっぷり作品展示されていました。こちらは撮影はできません。
タイガー展のサイトを見た時にはあまりそそられなかったけど、実際に見たらとても良かったです。パワー吸い取られるけど元気も貰えるって感じ。来年1月16日まで。
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イタリア道中7 [ア−トとの遭遇]

ガッラ・プラチディアと同じ敷地にあるのはサンヴィターレ聖堂。これまた古い木版画にでもありそうな建物。両脇のつっかい棒みたいなモノは本当に「つっかい棒」らしいです。
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入ると、ここもまたプラチディア同様に外観とは予想もつかない華麗で荘厳な世界。
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ラヴェンナは西ローマ帝国やビザンチン帝国西側の首都だった街。皇帝ユスティアヌスが建てたのがここ。なるほど贅沢!
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窓の上に描かれているのは若きイエス。生き生きとした青年の、生気に満ちたお顔。モザイク画でこんなに生々しい描写が出来るとは本物を見るまで知らなかった…。
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一般的にイエスと言えば髭が生えているけど、この聖堂が出来た頃は若々しい髭の無いイエスが多かったとか。窓の左側にはユスティアヌス帝がお供と共に。
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その向かいは妃のテオドラ。ダンサーからお妃に上り詰めたとか。なかなかな女丈夫で、皇帝より肝が据わっていたエピソードあり。女性のために善政も行ってくれたとか。
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お妃様の侍女たちもオシャレで美人揃い。でもしっかり者の妃がいたんじゃ、浮気は出来なかったかな。
この聖堂も旧約、新約の聖書のエピソードとか聖人たちがびっしり描かれています。
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床にもモザイク
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この2つの遺跡を見た後にあと2つ、遺跡を見に行くのですが、ここでラヴェンナの街の様子をちょこっと。
大通りを歩いていたら人懐っこいおじいさんに話しかけられました。ナポリ、モデナ、ラヴェンナ、街や建物は少しずつ違いがありますが街の人が、陽気で人懐こいのは共通しています。
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カラフルな傘のアーケード。慎ましい商店街の中に可愛い雑貨屋さんがありました。
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工事中の囲いに書かれたイラスト。ボッティチェリっぽく描いてあるのがイタリアっぽいなあ、とウケていました。
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さて最後の遺跡も2個セット。ネオニアーノ洗礼堂と大司教博物館。外観はこんな。
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洗礼堂には大きめの銭湯湯船みたいなプール(水は入っていません)があったのですが、画像撮り損ねました。堂内は小さく外光がふんだんに差し込みます。壁際に椅子があるので、そこに座って背もたれに頭を載せると疲れることなく天井を鑑賞できます。
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歩き草臥れたこともあり、結構長い時間、天井を眺めていました。時間が経つにつれ、モザイクの金に光る場所も移って行きます。中央は洗礼者ヨハネとイエス。あれ!イエスの性器が描かれている!たいていは腰布とかで覆われているのに、そういうタブーが無かったころの作なのかな。
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ヨハネとイエスの周りに描かれるのは12使徒。これまたけっこう写実的な描写でした。モザイク画って色の制限もあるし平面的なのかな…と思っていたのですが(図鑑になると微妙な色合いは飛んじゃうし)。しかし今回本物を見たら絵の具を使って描くのと大差ない立体感が出せるということが分かりました。しかも日光や経年による退色もないのでとっても鮮やか。金色もふんだんに使ってゴーヂャスな仕上がり。行ってよかったラヴェンナ!
あ、まだ大司教博物館が残ってました。
たぶん大司教が座っていたと思われる椅子。精密な彫り物で聖書の物語がいくつも表されています。他にもいろいろ見どころがあったはずなんですが、なにせ今まで見てきたモザイクが素晴らしくて、博物館は記憶が薄い…。
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文字で終わるのもナニなので最後にモザイク画を大きめに載せてみましょう。
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ふう、またしても長い旅日記になってしまいました。そうそう、最後に訂正が。ナポリの博物館、領主の館だったのではなくて16世紀に馬の調教場として建設された後、大学となり1800年代に博物館となりました。収蔵品の始まりと発展にナポリ王家が関わっていたのだそうです。
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イタリア道中6 [ア−トとの遭遇]

モデナへ行ったら、せっかくなのでちょこっと足を延ばしてどこか違う都市にもに行きたいなあ…と日本で探していたら「ラヴェンナ」という街の大変に美しいモザイク画を紹介するサイトに巡りあいました。こ、これは是非本物が見たい!  
というわけで行ってみました、ラヴェンナ。まあステキ!日帰りして来たんですがお見せしたいものがテンコ盛りなので2回に分けてお送りします。
 モデナの駅から落書き電車を乗り継いでラヴェンナへ。
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ラヴェンナの駅前は良い感じの地方都市といったところ。駅を出てすぐにあった教会の佇まいがこの先への期待を高めます。ところどころのベンチに屯す老人たちも何となくのんきそう。
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東洋系の観光客とは出会わなかったのですが、ラヴェンナではロシア系なのかなと思われる団体客とはよく会いました。駅から一番近いモザイク画の遺跡サンタポッリナーレヌオヴォ聖堂。この入口でまずロシアの団体に遭遇。チケット売り場で5か所通しで鑑賞できるチケットを買って、いざ!
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入るとこんな
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うわ、長い、広い、天井髙い!
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双眼鏡があってよかった、裸眼やメガネじゃ遠すぎる。入場して右側は色々な殉教者とラヴェンナの街の歴史(たぶん)
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左側は聖女大行列
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ホント大行列なの。キリスト教信者なら殉教者とか聖女とかも誰なのか見分けられるんだろうなあ。
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殉教者は服も地味なんですが聖女たちは一人一人服の模様が違っていてなかなかのおしゃれさん。
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聖堂の奥にはマリア様。
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外光でモザイクがキラキラ金色に光ってとてもきれい。タイルなので色も褪せず、くっきりはっきり華やかです。ここだけでも十分満足!でも、更なる期待に胸をドキドキさせて次の遺跡へ。
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ここの敷地には2つ遺跡があります。まずは小さめの建物ガッラ・プラチディア廟。何とも素朴な中世チックな姿。
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入ってビックリ!美しい宇宙空間に放り出された様。どこもかしこもモザイクの美しい模様で埋め尽くされています。
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聖書の中の物語とか地元の聖人のエピソードとか。紺色の天井にちりばめられた星、星、星…煌めく音が聞こえてきそう。
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窓には琥珀がはめ込まれていました。写真だと明るくなっちゃうんですが本当は飴色。
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もうここから動きたくない!と思うぐらい美しい廟でした。でも広くない廟を鑑賞したくて外で待っている人もいるので渋々外へ。
こんなにも美しくて細密な物をタイルで作っちゃうなんて…。今思い出してもうっとりしてしまいます。

さて、まだ遺跡は3つ。なので今回はここまで。
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イタリア道中5 [ア−トとの遭遇]

モデナの街の事もう少し。
街の中心はグランデ広場。骨董市をやっていた広場で、ドゥオーモと呼ばれる大聖堂と市民の塔と市庁舎などに囲まれています。ここらがまとめて世界遺産登録されています。
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ドゥオーモの後ろはこんな。やっぱり広場。
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ドゥオーモの中、広くて天井が高い!
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祭壇の一番奥、明るくてとてもきれいでした。窓に透ける石がはめ込まれていました。
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グランデ広場の近くの一角にある建物の角にローマ時代の建物の遺構が残っていました。音楽学校の生徒さんかな?素晴らしい音色のヴァイオリンの演奏していました。
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ドゥオーモ以外にも目についたところで2つ、古い教会がありました。
こちらはそれほど大きくなかったけど、アート展をやっていて、宗教的な題材を現代アートとして制作した作品が展示されていました。
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こちらは建物の陰に隠れるようにあった古い教会。世界遺産のマークがありました。中でパイプオルガンとソプラノ歌手が練習しているのが聞こえました。
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それほど観光客が来るような感じでもないけど地元の人の憩いの場なのかすぐ近くにはお休みどころが。
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旧市街のはずれにエステンセ美術館があります。エステ家のコレクションが展示されています。同じ建物の中には図書館とカフェとイベントスペースとがあります。正面の写真を撮り損ねました。馬鹿でかい事は写真をお見せするまでもないですね。
1Fには主に大理石の彫像とか、どこかの遺跡から運んできた石像とか、どこかの遺跡の前面丸々とか、石に刻まれた銘板とかがゴロゴロ。とんでもないお金持ちになるとこういうのを集め出すんですかね。
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一番奥には何代目かのご当主の像が。周りの壁画はクリムトの「美術史美術館壁画」っぽい。「あんなカンジのを描いて欲しいなー」って発注したのかな。
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美術館は建物の最上階。最初の大物はエステ家の「フランチェスコ1世」の胸像。製作者はバチカンの広場なんかも設計した方(名前長いので、はしょる)
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エステ家が長い時間をかけてコレクションしただけに、何でもアリ。宗教関係の絵や像が多いけど、嫁入り用の馬の鞍とかベネチアの食器とかもありました。長い歴史のうちには売却した物やナポレオンの侵攻の際に無くなったりしたものも数多いのだとか。お宝を持っているのも大変ね。
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古銭をコレクションしていた方もいたそうで、コレクション箱。重そう。
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装飾過多のヴァイオリン。同じく装飾過多のハープもありました。このヴァイオリンはモデナにとって特別なモノらしく街のあちこちでポスターになっていて音楽学校の前にもありました。
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貴石を使った箱庭みたいなオブジェもあったけど「素敵かなあ、これ?」と思っちゃうものもあったりして、そういうことも楽しい美術館でした。
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イタリア道中4 [ア−トとの遭遇]

土曜日のお昼休み、グランデ広場と呼ばれる旧市街の中心部分へランチに出かけました。と、今日は骨董市の日でした。昨日の日記に載せたコーラルピンクの建物前の売店あたりに露店が出ています。
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骨董市が開かれることがあるようだけど、それが何時なのかどこの広場なのかどのぐらいの規模なのかが日本では分からなかったので「あ、この一角だけでやっているのね」と丹念に眺め、ではランチに急ごう!と歩き出したら隣接するグランデ広場とその向こうの広場で大々的に骨董市が!こんなにお店が出ていたとは!
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ゆっくり掘り出し物を探したいけど、ランチの都合もあるし休み時間の事もあるし…。ああ、もっとじっくり見たかったなあ。
広場の近くには市場があります。ヨーロッパで市場というとたいてい広場でテントを張ってやっている…というものを目にしますが、ここではこぎれいな建物の中でした。入り口からしてオシャレ。
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中に入るとテンコ盛りな野菜と果物。
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ブドウを一房買ってみました。迷っているといくつか味見させてくれます。日本の物より萎びて見えるのですが食べると味が濃い!アルメニアでもそんな感じだったのでヨーロッパはブドウは追熟させているのかも。
 市場の中央には枯れ噴水?があって、これが初心者には方向の目印になります。
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ハム屋、チーズ屋、スイーツ屋、魚屋、まさに市場!どのお店も愛想が良いし親切だし活気があります。少額でもクレジットカードで決済できるし、レジも新しいものを使ってお釣りも明記されています。大昔、ヨーロッパではお釣りがきちんと出ない、計算間違えが多い…なんて注意されたけど「今は昔…」ってことみたい。
パン、パスタのお店
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お惣菜屋 
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モデナ名物トルテリーニ、とても小さいヤツを買ってアパートでスープの実にしました。小さいけどちゃんと肉が入っていました!
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こういったお惣菜を売るお店の傍にはイスとテーブルがあり「ここで食べます」というとすぐに温めてくれて使い捨てのナイフとフォークとナプキンを添えてくれます。
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というわけで、トルテリーニでランチ。さすがイタリア、それぞれのお惣菜のお店はワインも冷やしていてグラスワインもいただけます。わーい、昼ワイン!!薄いラザニアみたいな生地の中にチーズやポルチーニ茸や何やらおいしいものが巻き込まれていてむちゃくちゃ美味しい。パルミジャーノチーズをたっぷりかけて頂きました。
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モデナでアパート暮らしをしている時はここでパンやお惣菜、ハム、チーズを買い込みましたが、ともかく美味しいし安い!モデナの観光スポットとして有名なのでスーパーより高いのかな、と思ったのですが後日現地のスーパーに行ってみたらハムはめちゃ安でした。
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イタリア道中3 [ア−トとの遭遇]

モデナに昼過ぎに到着し、まずは貸アパートへ。私たちが行った時期は、とあるイベントと重なったためその期間中はホテルが取れなかったのです。アパートがあるのは旧市内のすぐ外側の落ち着いた住宅地。
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ちょっと離れた所には高級一戸建て住宅地があり、こちらはさらに鬱蒼と木が茂っていました。
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ギャラリーがある旧市街までは1キロぐらいなので歩いていくことにしました。かわいらしい色合いの建物が。ポスターを見ると音楽学校みたい。
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「音楽学校かあ…。楽器の音が漏れ聞こえるわあ」と感心してたらパバロッティの銅像が!彼、ここの出身なんですね。私が知っている彼よりかなりスマートなんじゃ?
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ドゥカーレ宮殿デカイ!モデナを納めていたエステ家の居城。現在は陸軍士官学校だそうな。建物の前にはなぜか水たまりが…。良く見るととても浅い噴水池で水がそれ以上広がらない様に溝が出来ていました。
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ギャラリーですったもんだの展示作業。私の展示はこんな。
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ギャラリーは昼休みがなんと3時間も!シエスタってやつ?午後の開場までそこらを散歩してみました。モデナは歴史ある古い街で見どころも多いのですがなにせ、あのイタリア、の中にあっては地味。フェラーリの本社があったりして産業がある豊かな街なので、ことさら観光に力を入れてないのかも。そんなに観光客が多くないので素のイタリアの暮らしぶりに触れられます。とはいえイタリア、そこここに歴史ある光景が。
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小路に面したカフェが道の中央ぐらいまでテーブル席を出している…なんてのもざらでした。ここのコーヒーも美味しかった。というかイタリアではどこで飲んでもコーヒーは美味しかったのですが。
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展示が始まるとたくさんのお客様が見に来て下さいました。
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まずはホッとしました。
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イタリア道中2 [ア−トとの遭遇]

日本からローマへ飛んで、ローマからナポリへは列車で移動したためホテルに着いたのは真夜中。翌日朝早くからポンペイに移動してナポリを一日で出来るだけ楽しんで、モデナへ移動(ナポリからモデナへはけっこうな距離があります)。コッテリした一日となりました。
 さて博物館の続きから…。
博物館にはポンペイの模型もありました。すんごく大きい!さっきまでうろうろしていたポンペイの街を探してみる。
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前にも書いたけど、元々がご領主様の館なので広い広い!ポンペイ関係の展示物だけでも何部屋もある。博物館全部を見るなら2日はかけたいところだけど今回はポンペイ関係と1Fの彫刻だけであきらめました。博物館の周りの建物はこんな。
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黒と赤が基調で重苦しい。街では車はクラクション鳴らし放題、バイクは爆音、ものすごく騒がしくて博物館の中でも臨場感たっぷりに喧騒が聞こえました。ご領主がまだ暮らしていたなら外に向かって「うるさーい!」と一喝しただろな。

博物館を早々に切り上げたのは丘の上のサンテルモ城に行くつもりだったから。お城(というか砦)から市街やナポリ港が見渡せるのだそうな。博物館前から地下鉄に乗って麓まで行き、そこからケーブルカーに乗ります。ナポリの地下鉄、びっくりするほど広い。地下壕の役目があるのかな。
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落書きだらけですが、今回イタリアで見かけた電車も駅構内もほぼこんな。車体の下のデザインが分からないものがほとんど。怒られないんですかね。 地下鉄から出ると、ナポリの下町の風景!
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そこからケーブルカー(フニコラーレ)の駅へ。駅前は下町感満載。
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ケーブルカーへの乗り場はわかりにくいのだけど、ナポリっ子は親切、身振りで教えてくれました。かなりな急傾斜を上って行きます。アパートがすぐ脇に立っているので暮らしぶりなんかも観察できて楽しい。
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ケーブルカーを降りたら後は他の観光客にくっついていけば砦に到着できます。道にはお小遣い稼ぎにドリンク類を売っているお宅もありますが、あくまでも片手間にやっている…みたいな力の抜け具合がいいかんじ。到着が遅すぎて砦の入場時間には間に合いませんでした(砦自体は大した見どころは無いのだそうな)
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砦の上には行けないので、どこかで港を一望できないかな…と見渡せば「見晴らしたければお食事をしてね」ってことで海側はほぼレストラン。まあそんなもんだ。
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帰り道は歩いて下りました。階段が夕景に溶けてこれはこれでとても素敵な光景。日本でいえば昭和っぽい街並みに黄色い街灯の光が郷愁をさそって暖かな気持ちになってくる。ナポリの下町、とっても気に入りました。
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みっちりナポリを楽しんだ翌日、モデナへの移動の前にホテルの屋上から昨日昇った砦のある丘を記念撮影。ホテルの隣の建物の屋上には素敵なテラスがしつらえてありました。庭が無くてもこんなテラスがあれば楽しいでしょうね。
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イタリア道中1 [ア−トとの遭遇]

台風であたふたし、雑事をこなし、ラグビーにソワソワしたりしていたらイタリアから帰って、ひと月が過ぎてしまいました。速いなあ、時間が経つのって。いつの間にかブログに変な広告出ちゃってたし…。

ではでは、イタリア報告始まり始まり。
アート展はモデナって街で開催だったのですが同行する人がナポリに寄ってから向かうというので、ついて行ってしまいました。ナポリってなかなか行けない街。ナポリでは別行動でモデナへは一緒に移動する…ということでポンペイに行ってみることにしました。
 気温30度!世界中の観光客で電車も駅もごった返しています。この風景…京都?
ポンペイ駅を出てすぐの入り口でチケットを買って遺跡の街の中に!街はぐるっと城壁で囲われています。
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街の端っこでは戦士が城壁越しの不届き者に睨みを利かせてます。
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廃墟好きにはたまらない街。お屋敷の庭を見てかつての繁栄をしのぶ。
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広場は本当に広いんだけど、観光客でごった返してそれを感じさせません。
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イシス神の神殿。じっと眺めていると、ちょっと怖い。観光地とはいえ廃墟独特の怖さなのかも。
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 あまりの暑さに、街の奥にある館を見るのはあきらめ、またナポリに戻り博物館でポンペイのフレスコ画を見ることにしました。
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博物館はナポリ領主のお館だった建物。当たり前ですが広い!
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今日はここまで。しかしナポリはまだ続きます。ああ、また長い旅日記になりそう…。
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時の欠片の囁き [ア−トとの遭遇]

今月20日から29日まで、イタリアのモデナという都市のギャラリーでのアート展に参加します。モデナはボローニャの隣、フェラーリの本社がある都市です。人形1体、胸像2体、夏休みの宿題として制作した箱作品を持っていきます。私は25日まで現地に滞在する予定、さてさてどんな旅になるのやら。
ではでは夏休みの宿題の箱作品の全体像を…。タイトルは「時の欠片の囁き」です。
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夏休みの宿題 [ア−トとの遭遇]

8月は中旬がとても暑いので生徒さんと相談のうえで教室を月の始まりと終わりに振り替えています。今年はうまく端と端が押えられたので、その間は長い夏休みとなりました。で、その間に箱作品をチマチマと作って、どうにか完成させました。先月終わりの教室で、少し居残っていた生徒さんにお披露目してみました。「先生は夏休みの宿題やってたんですねー!」と褒められました。「宿題」か、うまいこと言うわあ。
やっと撮影をしたので(私のカメラでは細部のピントがかなり甘いのが残念)今日は部分のみご披露。近日全体像をアップのつもり…。
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久々のチネチッタで映画 [ア−トとの遭遇]

荻上チキさんの番組で紹介していた映画を見にチネチッタへ。前に行ったのがあまりに昔過ぎて行き方を忘れてました。
映画は「The PROMISE」というタイトルで、今から100年前に起こったオスマントルコでのアルメニア人への大虐殺がテーマでした。テーマがテーマなだけにさっさと見ておかないと公開期間は短そう。人形のドレス作りが大幅に遅れてる…というか、間に合うのか?って瀬戸際なんだけど、まあ、なんとかするしかないな。
この虐殺については15年にアルメニアでのアート展に参加した時、エレバンにある虐殺記念塔とその傍らの資料館へ行き、当時の膨大な報道写真の展示を見て、あまりの悲惨さに呆然となったものでした。今回の映画はとてもよくできた作品で(監督は「ホテルルワンダ」の人です)見ていると人間の善と邪を考えてしまいます。
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池田重子・横浜スタイル展に行く [ア−トとの遭遇]

横浜そごうでの「池田重子 横浜スタイル展」は本日が最終日。着物姿もあでやかな女性たちでいっぱいでした。2年前に松屋銀座での展示も見に行ったけど、その時の展示とはほぼ重ならないコレクションの数々。フロアもゆったりしているし展示数も多く、見ごたえありました。贅沢で凝りに凝った着物や帯、帯留めなどなど。それをまた粋を凝らした組み合わせや着付けで池田重子さんの美意識の世界を展示していました。見終わって横浜駅に向かうと成人式の振り袖姿が沢山。彼女たちにも見てほしいなあ。見たのかなあ。
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アート展のお知らせ [ア−トとの遭遇]

年賀状もまだ終わっていないっていうのに今日は大晦日!明日は来年じゃないの!!…という状態ではっと気が付く、来年早々のアート展参加のお知らせをまだやっていませんでした。こんな慌ただしい時にお知らせなんてアップして、読んでもらえるんでしょうか? まったくもって自業自得…。
 新年の銀座をお散歩の折にはちょっと足を延ばしてみてください。アルメニアでのアート展に参加した作家たちの作品を日本でも展示しよう、との企画です。私もアルメニアドレスの少女2体を展示します。

●エレバンの思いで展
期間:2018年1月6日(土)~10日(水)12:00~18:30 (初日は13:00から、最終日は17:00まで)
会場:Gallery銀座一丁目 中央区銀座1-9-8奥野ビル4F
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再び岩の国へ8 [ア−トとの遭遇]

長々と旅日記を綴っていましたが、いよいよ最後。エレバンの街の事、もう少し。

ギュムリから帰って来た日はエレバン市の誕生祭の日でした。エレバン市のいろいろな場所でイベントが同時にある「学園祭」状態でした。タイムスケジュール表を訳してもらい、まずは2年前に出来たばかりの新しい通りへ。通りの中央にステージが出来ていて少女たちが民族ダンスを踊っていました。
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舞台の下では民族服の人々を大勢見ました。ステージに立つのかな?美人度がますますアップしてます。
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共和国広場近くの通りも美しく飾り付けられ、一応おまわりさんたちも待機してますが、ワクワク感満載。
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こちらにもステージがあり、美しい民族服の人々がいっぱい。晴れ舞台なんですね。2年前に来たとき、大学生たちが「伝統的アルメニアの衣装はほとんど着ない」と言っていましたがお祭りは別なのでしょう(お祭りなので正式なドレスよりは簡略化されているということもありそうですが)。
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美しいドレスを着られちゃ、いつもの女友達の筈なのにドキドキさせられちゃうよね。彼らは仲良くマイムマイムみたいなダンスを見せてくれましたが、その振付、ステップの複雑な事!よく覚えられるなあ。
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日が暮れてくると道路の上にイルミネーション点灯!昼間に見ると、道路の上に電線が渡っているだけみたいなんですが、こういうお祭りになると本領発揮です。
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本屋さんの前では人々がぎゅうぎゅうに押しかけていました。誰か有名人が来ているのかな。
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エレバンのお祭りは土曜日一日だけの事だったようで、翌日にはお店の前の飾り付けだけが残って、フツーの日が始まりました。ええ?あっさりしてるなあ。
 さて、もしエレバンに行くことがあったならゆっくり見てほしい場所の一つに古文書博物館があります。
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アルメニア人は本を命のごとく大切にする歴史があり、異民族に攻め込まれて生きるか死ぬか…と言うような時にも貴重な書物を壺に詰め、教会、修道院などの床下深くに埋めて守っていました。そのため、アルメニアにしか残っていない古文書も多いのだそうです。今では世界中の貴重な古文書も収蔵されています。お金を払うと館内を自由に撮影させてもらえます。
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古文書博物館はちょっと小高いところにあります。ここから中心地を見るとこんなふう。ここも木に囲まれて気持ちのいい場所です。
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エレバンと言いギュムリと言い、街中に大きな木が沢山あるのはソ連から独立した後の度重なる不幸で暖房にも事欠き、子供たちですら真冬に郊外まで薪にする木を探しに行かなければならなかったこともあるのではないかと思います。  そんなことを知っているとは思えない現代の子供たちが私ら東洋人を見て大喜びで手を振り叫びます「ニーハオ!」。いや~、この2年のうちにどんだけ中国人が押し寄せたんでしょう。
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エレバン中心地から離れた場所に新しいショッピング街が出来ているようで、タクシーでそんな街を通り過ぎました。高速度道路も中国の協力で整えられているのを見ました。いたるところクラッシュアンドビルド。そんなこともあり、街中で大きなミキサー車を目にしました。でか!
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街で見る車は確実に高級で高価な新車が多くなりました。
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中心地のお店は古い建物の中にあるので規模の小さい物が多いです。これもきっと2年後ぐらいには変わっちゃうのでしょうね。おもちゃ屋さん、洋服屋さん、ちょっと街外れのコンビニ(?)
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ホテルの近くにあった小さいスーパーの瓶詰コーナーに醤油発見!エレバンにも、日本料理なのか寿司屋なのかよく分からないお店があって、寿司を食べることができるそうですがかなり高いのだとか。味…どうなんでしょう?アルメニア料理のレベルが高いだけに、テキトーなものでお茶を濁してほしくないです。
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共和国広場の横では週末になると蚤の市があり、お土産物になりそうなもの、日常に使う道具類、絨毯、絵画等々良いものからガラクタまで並び、とっても賑やかです。店主さん達と値段の交渉するのも楽しい体験です。週末だけかと思っていたら出店数はかなり減りますが平日でも開かれていました。お客さんが少なくて撮影するには好都合。エレバンを去る日の朝、出かけてみました。
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こうして今回もたくさんの思い出をこさえて岩の国を去って来たのですが…。
帰りのアエロフロート、モスコーから成田までは10時間。2度食事が出ます。2年前の教訓で帰りの食事は強烈に不味い!と心の準備をしていました。
が!最初の食事…どうしたの?美味しくなっている!苦情が殺到して改善したのかしら。完食しました。
 ふう、これなら2度目の食事が楽しみ…なんてうきうきしてたら、さすがアエロフロート期待は裏切らない、安心してて油断した分ダメージは大きい。全体重を乗せた破壊力あるパンチが繰り出されました。激マズ!!!!!一口も飲み込めない。
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撃沈している自分のマヌケさに笑いが止まらなくて、私とは違うメニューを選んだ仲間に感想を聴いたらそちらも激マズだったとかで、彼も笑いが止まらない状態でした。ロシアのオ・モ・テ・ナ・シは厳しいぜ!

でもフォーチュンクッキーから出てきたメッセージはとっても嬉しい内容でした。オツな事するじゃないか、アエロフロート。
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再び岩の国へ7 [ア−トとの遭遇]

日々美しさを増すアララト。ホテルの屋上から。
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アララトは2つ頂きがあります。大アララトの横から噴火したのが小アララト。小アララトは富士山そっくりで高さも同じぐらい。大アララトは5000mを越えます。ノアの方舟が漂着したとされる山です。
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広い野山越しにアララト。見飽きない美しさ。
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今日はセバン湖方面へ出かけます。その前に初めて来た人たちのためにゲガルド修道院に行きました。
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岩をくりぬいて作られた修道院です。
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ゲガルドとは「鑓」の事。キリストが磔刑にされた際の鑓が大切に保管されていたためにこの名が付きました(鑓は現在はエチミアジンの宝物館にあります)。木製の扉には鑓が彫られています。
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セバン湖へはドライバーさんがすんごいスピードで走っていきます。琵琶湖の2倍の大きさだそうで、行けども行けどもセバン湖。湖の近くにはノラドースという紀元前からの墓地があります。
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貴重なハチカル(石碑)が沢山あるのですが風化していくので、日本の大学教授が拓本を取っています。何年か前の代官山でのアルメニア文化週間展でそれを展示していました。
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台地の上に広がる広大な墓地。高地特有の強い日差しと風、日陰の寒さ…。何も知らなくてもこの大地に刻み込まれた物語が心に語りかけてきます。
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ハチカルを彩るオレンジ色は苔なのだそうです。不思議な明るさをもたらします。
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ここからデリジャンへ。セバン湖はリゾート地なのでほど近いデリジャンは観光地らしく、工芸などを体験できる施設や、お土産物など充実しています。上高地か軽井沢と言ったところでしょうか。
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ここらは緑豊かです。荒れ野のような所ばかりを見て来たのですが、こういう所もあったのですね。
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帰り道、やっと車を止めてもらって、セバン湖を眺めました。
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右端の崖の上にはぽつんと教会が。
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向こう側は山が沈み込んでいます。
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岸辺の花たち。枯れているけどとてもきれい。持って帰りたかったなあ。
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帰り道には黒曜石の山がありました。灰色の山肌から覗く黒い部分が黒曜石。
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拾いまくる人々。 重いしかさばるから私はいいや、と眺めていたら拳ぐらいの大きさの、武器にもなりそうなヤツを進呈されました。護身用になるかな。黒曜石は矢じりや刃物として使われていた石。なかなか頼もしい武器になりそう。
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エレバンに戻ってきたら、アート展に参加した日本人、アルメニア人のためのコンサートが開かれました!子供たちの民族楽器の演奏が特に印象に残りました。
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画像は「仮面舞踏会」を演奏する少年少女たち。浅田真央さんをはじめ、フィギュアスケートではよく使われる曲ですが、作曲者のハチャトリアンはアルメニアが誇る大作曲家なのです。
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再び岩の国へ6 [ア−トとの遭遇]

ギュムリからエレバンに帰って来てから、連日アララト山がくっきり見えました。アルメニア人に言わせると1年のうちでアララトがはっきり見えるのは40日ぐらい、なんだそうです。私たちがギュムリに行っている間にエレバン方面は大雨だったという事なので、空気が洗われたのでしょう。
お昼過ぎから郊外へ遠出しました。道すがらアララト撮影。
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田んぼから見た富士山?いえいえ、アララトの手前は牧草地。
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標高の高いアルメニアはお花の季節は終わりかけ。ゼラニウムっぽいけど何なのでしょう。ここらコーカサスあたりは植物の原種が沢山あり、植物を楽しむツアーもあります。
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綺麗なアララトに歓声を上げ、長い車旅の後着いたのは赤い岩場が屏風みたいに連なるところ。
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2年前にも来ました、ノラヴァンク。
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いざ、内部へ
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入り口のレリーフは異民族に襲撃されないように、異民族の顔に似せて彫っています。こういうレリーフが他の遺跡にも時々見られ、大陸の中の国って大変な思いで生き延びて来たんだなあ…と島国の幸運を思います。
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2年前はここで神父様が赤ちゃんを祝福していました。
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あの時の神父様は今回のアート展でも素敵な風景写真を展示していましたが、この日はお留守でした。2年前より早い時期に来たので谷間の秋景色を見ることが出来ました。アルメニアの秋は緑から黄色へのグラデーションが多い様で赤色系はそんなに多くありません。黄色寄りのため、大変明るい風景となります。
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帰り道、ワイン蔵に寄りました。
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コーカサスあたりだとジョージアのワインが名高いですが、これはソ連時代にジョージアがワイン担当、アルメニアはブランデー担当になったため。ワイン自体は自家用でずっと作られていましたし、5000年前のワイン醸造所(岩山の割れ目の奥深くにありました)の遺跡もあります。この頃は販売用のワインにも力を入れているようです。赤ワインを飲んだのですが、とてもおいしかったです。チャンスがあったらイケる方はお試しあれ。
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再び岩の国へ5 [ア−トとの遭遇]

ギュムリから帰って、アート展の搬出などをしながらも、ちょっと郊外まで2度ほど出かけました。アルメニアは古い国なので情感ある観光ポイントがいっぱいです。2年前よりも観光地化されているところもあり、トイレが整ったりお土産売り場がちゃっかり出来てたり…。仕方ない事なんですが素朴なアルメニアを見たければなるべく早いこと行ってみた方が良さそうです。
 で、朝早くから車に乗り込みズヴァルトノツへ。ここは7世紀に高さ49メートルもある3階建ての巨大な教会があった場所です。
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教会は10世紀の大地震によって崩壊してしまったそうです。アルメニアも日本同様に何度も巨大地震に被災しています。復元を試みたそうですが無くなってしまった石が多くてあきらめたそうで、残された石には組み立てるための番号が振られていました。遺跡には美しい彫刻が施された円柱が残っています。
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遺跡の横の博物館には真ん中から割れて中の構造を見ることができる模型があります。
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崩壊した石には植物やいろいろな職業の人々などが彫られていました。
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日時計も。真ん中の穴に棒を差し、影の位置で時間を見ます。アルメニアは数字を文字でも表すので、日時計の下側の文字はこの場合、数字です。
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ズヴァルトノツからちょっと行くとリプシメ教会。非キリスト教徒のローマ皇帝の求婚を断ってアルメニアに逃れ、布教活動をしているところを今度はアルメニア王(非キリスト教徒)から求婚される…という女性がリプシメ。求婚を断ったがため石打の刑で殺された地に出来たのがこの教会。小さめの教会ですがお花畑に沿って参道がある愛らしい作りです。石段を上って行きます。階下はお土産屋さん。ここは2年前にもありました。
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内部の祭壇。この横から地下に降りるとリプシメのお墓があります。
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リプシメにプロポーズした王様は布教に来たグレゴリウスを深い穴の中に13年閉じ込め(ここがホルビラップ:深い牢獄修道院)その後にキリスト教に改宗し、彼と作ったのがエチミアジン大聖堂です。
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2年前も補強なのか改修なのか工事中でしたが、その時より工事現場が上の方に移ったような。日曜礼拝で大変賑わっていたので、横からの撮影です。
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美しい鐘の音が響き渡る中、聖職者たちが教会に入って行きます。
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私たちもちゃっかり入れてもらいました。歌うようなミサ。神父様は声がとても素敵。良く響く声が神父様の要件にあるのかな?
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パラジャーノフの映画の一コマみたいです。彼の美意識の中にはこういう体験もしみ込んでいるのでしょう。
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沢山の人々でぎゅうぎゅうの教会内部ですが、柱やシャンデリアを撮影してみました。バチカンとはまた違う美しさです。
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私も人々に交じってろうそくを立ててきました。教会の宝物館は改修中で、今回は見学できませんでした。
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礼拝が終わり満足げに出てくる人々。日曜日は毎回こんな感じで大勢が参加するのだそうです。アルメニア正教の総本山ですものね。ちなみにアルメニアは301年、世界で最初にキリスト教を国の宗教に定めた国です。
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この後、エレバン市内に戻り、搬出作業をして、それぞれ自由行動となりました。私は人形をきちんと梱包し直すためホテルに居残り、夜はスーパーでお惣菜を買って部屋で食べてみました。スーパーの量り売りと言ってもかなり美味しいし種類も多い。これはこれでいろいろ試せて楽しい体験となりました。
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再び岩の国へ4 [ア−トとの遭遇]

ギュムリの中心地は市庁舎のある広場。そこから延びる遊歩道はどうも昔の面影を再興している通りの様です。
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その遊歩道を入って間もなくの建物に美術館はあります。美しい鉄の門をくぐっていくと、中庭も秋の景色で輝いています。
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私たちの展示は、今回新たに改装して画室となった部屋で、こけら落としの催事なのだそうです。自分の展示を撮るのが精いっぱいで、全体像を撮り忘れました。とほほ。素敵なお部屋だったのに…。
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搬出は美術館のスタッフがやってくれてエレバンのホテルまで送り返してくれる…と言う事だったので、扱いが面倒でない作品は?と考えて「匣のことり」シリーズの中から2つ選んで持って行きました。小さな作品だし壁にかけてもらえればいいや、と思っていたのですが、お部屋の中心に展示してもらえました。やったー!今回、どこの会場でもとても良い場所に展示してもらえました。
 お部屋の外はアルメニアの建物独特の木のテラス。建物は石造りだけどテラスが木のせいか、なんだかとても居心地がいいです。
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オープニングも、部屋がぎゅうぎゅうになるほどお客様が来て入りきれないほどの大賑わいでした。私の作品も手に取って小さな世界を覗きこみ、じっくり鑑賞して下さる方が大勢いて、とてもうれしかったです。ここでも「にわかオバちゃんアイドル」状態になってしまい、アルメニアの美女との記念撮影が繰り返されました。あの賑わい、法螺じゃないよと証拠写真を撮っておけばよかったなあ。

さて、自慢話はこれぐらいにして…。
私たちが止まったホテルは正式にはベルリンホテル、という名前です。2年前にも書いたんじゃないかと思いますが、88年のスピタク大地震はギュムリも相当な被害を被り世界中から支援を受けました(日本も相当な支援をしたのでアルメニアの人々は大変に感謝しています)。ドイツはここに病院を建てて支援しました。そこがホテルとなったのでベルリンと名乗っているのです。見るからに病院、といった建物ですよね。
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2年前はここまでの話だったのですが、実はホテルは全体の建物の半分だったのです。渡り廊下の向こう側に、もう一棟建物があり今はだれでも無料の診療所となっていたのです。公立なのですがベルリンホテルも援助しているそうです。ベルリンホテルはアートホテルでもあり、ホテルのいたるところに展示しているアート作品は販売もされます。その一部が援助金になっているというわけです。ホテルと診療所の関係を知るアーチストからは作品の寄付もあり、病院内に展示されています。
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ホテルは中心地からとても近いのですが、周りは静かな住宅街です。
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住宅の外には所々にベンチとテーブル。近所のみんなと気軽に集う場所なんでしょうね。ちょっと前には東京も川沿いに夕涼み用の縁台がある所があり、東京っていいなと思ったものでした。
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大きな木に埋もれるような住宅地。つつましいけど豊かな暮らしを感じさせます。
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売りに出されている大きな家を発見。
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鉄の格子の扉が素敵。アルメニアではこういう美しいものをいたるところで見ます。
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思うに、アルメニアの伝統的な石造りの家は石を積み直せばいくらでも修繕化可能な感じがするので、朽ちているようでも売り物として大丈夫なのかも。
 陽だまりで猫と遭遇。寒い地域だと動物は大型化すると聞いたけど、アルメニアで見た猫たちは皆小柄でした。猫も犬も可愛がられているようで険しい顔つきの者や威嚇してくるような者には出会いませんでした。
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ちょっと行くと青空市。いろいろなお店があり日本とは違う野菜や果物が売られています。食い意地が張っているので興味津々。果物は小ぶりですがさっぱりした味でとてもおいしいです。寒暖の差が激しいからなのでしょう。
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中心地に引き返して
白い建物が市庁舎。黒い教会は一番重要な教会です。
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黒い教会はスピタク大地震の時ロシア正教会と(ありゃ、ど忘れ、もう1宗派)がアルメニア教会の中に引っ越してきたので、3宗派が中に納まっているたいへん珍しい教会です。
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もう1宗派、思い出しました、ギリシア正教でした!

祭壇がゴーヂャスなのはロシア正教会様式なんだからだそうです。
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黒い教会の向かい側の教会、今回は入る事が出来ませんでした。黒い石と茶色い石のコントラストが美しい
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この教会も大地震の時は入り口の壁を残して崩壊したものを修復したのだそうです。教会に沿って並ぶハチカル(アルメニアの石碑)石に掘った模様がレース編みの様に繊細です。
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街のあちこちに置いてあるベンチ。エレバンとはちょっとデザインが違っています。
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アルメニアの人々も「ギュムリが大好き」と言うだけあって、何とも魅力のある街です。ほんとはもっともっと写真を載せたいんですけどね。
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再び岩の国へ3 [ア−トとの遭遇]

エレバンでのオープニングを済ませ、今度はギュムリでのアート展の搬入です。ギュムリはジョージアとトルコとアルメニアが国境を接するあたりに近い古くからの都で、エレバンよりぐぐっと朝夕の冷え込みが強いです。エレバンの中心地をちょっと外れたあたりにはアルメニア特産のブランデー工場が2つあります。ソビエト時代には1つの工場でしたが独立後、半分だけフランス資本が買い取り(これが有名なアララトブランド)、
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もう半分はアルメニアが自分たちで続けて行ったそうです(こちらはノアというブランド名です)。
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二つの工場は1本の橋の向こうとこっち。この橋は酔っ払い橋とも呼ばれているそうです。ブランデーの匂いで酔っぱらってしまうというわけ。

道はどんどん人気が無くなって行きます。「コーカサス」ってこんな感じ?と私が思っていた通りの風景が延々と続きます。
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遠くにぽつんと赤い屋根の可愛い教会が見えました。その屋根の色から「赤い教会」と呼ばれているとても古くて小さい教会に着きました。
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中にはフレスコ画が。真っ黒だった壁をワインで拭いて絵をよみがえらせたそうです。
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小さいけれどこの辺りではかなり重要な教会なのだそうです。教会の麓には絵本のような街並みが。
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手前の可愛い二つの屋根は民家ではなくて、実は世界最初のカフェだった場所だそうです。家畜の強壮薬として食べさせていたコーヒーの実を粉にして抽出するということを考え出したのだそうです。
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赤い教会を後にして、まだまだ続くよコーカサス。
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休憩で立ち寄ったガススタンド(ガソリンではありません、ガス自動車が多いんですアルメニアは。馬力は無いけどガスの方が1/10の値段なんだそうです)で出会ったひげの立派なおじさん。感心してたら写真を撮れとのこと。自慢のひげなんですね、面構えもカッコいいですよ!
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そしてまだまだ続く何もない原っぱ。と思っていたら小さな村に到着。
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ここの岩場には祠があります。
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中には村人たちの大切なものが飾られ、納められています。自分の大切なものをここに置いているんだそうです。頑丈な岩の中なので家の中より安全かも。
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湧水もあり、みなさん飲んでいるとかでコップも置いてあります。2年前、タテフ修道院の湧き水を飲んで大丈夫だったので(もう一人、飲んだのですが彼女はその後水アタリになりました)ここでもおいしく頂きました。私、元が山岳民族(長野県人)だしね、湧き水へいちゃら。
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聖なる祠の湧き水で体の中まで清め、さらに続く荒涼としたコーカサスの大地…。おや、線路発見。2年前はあの鉄道でふるーーい電車を素敵に改装したイベント列車でギュムリに行ったのでした。もうすぐギュムリに到着だ!
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今回も宿泊はアートホテル。アートホテルのシンボルマークはクマ。黄色い陽気なクマがお出迎え。
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荷物をおろし、すぐにアート展会場の美術館に向かいました。市の中心地の古い街並みを再現した遊歩道に美術館はありました。
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中では子供たちが授業を受けています。極東アジア人の団体を目の当たりにして大喜び。だいぶ中国人の旅行客が増えているんですが、まだまだアジア人は珍しいんですね。
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展示作品を会場に置き、梱包材料もわかるようにして会場を後にしました。美術館の館長とスタッフが全体のバランスを見て飾りつけてくれるそうです。明日が楽しみ。
 夕暮れた帰り道、アルメニア側のプロモーター兼通訳の方が「お連れしたい場所があるけどそこがどこかは秘密!」と、急きょミステリーツアーとなりました。郊外の小高いところへ連れて行かれ、いかめしい門を開けてもらって更に上り詰めると…。着いたところは「砦?」
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ギュムリは何度も戦場となった場所です。トルコとの大虐殺を巡る戦いの時もここが戦場になっていたはず(うろ覚えで確信が無いんですが)橋を渡って砦らしきものの中に入ると…やっぱり砦!
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屋根で覆われ、中央にはステージが出来ていますがどう見ても砦!どうも改装してホテルになるみたいです。まだ工事中なのですが特別に入れてもらいました。2階のバルコニーはきっと各部屋の宿泊客専用の観客席になるのでしょう。私たちが入ってきた扉の内側は大変綺麗なステンドグラスです。
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砦ホテルの屋上から見たギュムリの街。絵本の様だね、と誰かが言いましたが、まったくそのとおり。
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ふう、長い日記になってしまいました。ギュムリの街の美しさ、アート展の様子はまた明日。
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再び岩の国へ2 [ア−トとの遭遇]

アルメニアは高地にある国です。そしてエレバンはそんな全体が高地の国の中に、お盆の様に鎮座しています。画像を見ると背景が途中でぐぐっと高さを増しているのが見て取れるんじゃないかと思います。まさにお盆の縁です。
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ソ連からの独立の混乱期にスピタクの大地震が重なり、さらには周辺国との戦争も何度かあり、ここ10年ぐらいでやっと成長する準備が整ってきたのだそうです。なので古くて美しい建物が朽ち果てていく横で新しいビルもどんどん建てられています。
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今回私たちが宿泊したホテルも2年前に工事中だったビルでした。14階のホテルの部屋のベランダから見えるエレバン中心部。古い家がどんどん潰されているのがよく分かります。近代的なビルの方が便利なのは確かですが独特の美しい建物が滅びていくのはとても切ないものがあります。
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さてさて、今日は芸大ホールと工芸博物館のオープニングが時間差で開かれます。ドキドキしちゃう。
まずは芸大ホールから。実は私、ちょっとしたトラブルがあり遅れて会場に行ったので、到着した時にはアルメニア人、日本人、入り混じって大盛況の状態でした。
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私はこの会場には藤色の着物の少女人形を展示しました。今回のために華やかさが増すよう杏色の帯締めを足し、桜の枝(造花ですが精巧に作られたものを見つけました)を持たせました。
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なんと真正面の一段高いステージのど真ん中に展示して頂けました。きゃー!特等席!着物を着ていたからかなあ。やったー。
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両サイドはアルメニアの作家さん達の作品。ガラス作家さんの、鉄も使った衝立の作品がとてもきれいでした。
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芸大生たちもたくさん見に来てくれて、私の人形はとても喜ばれ、一緒の写真に納まるように頼まれて何度も記念写真を撮りました。私の人生で、こんなアイドル並みのモテ期が来ようとは!人形を作っていて良かった…。
にわかオバちゃんアイドルは次の会場を目指して後ろ髪をひかれつつ芸大から工芸博物館へ移動。
ここは建物もそこらじゅうに展示してある工芸品もとても素敵で、パラジャーノフ博物館の次ぐらいに好きな場所です。階段の途中の嵌め殺しの窓の鉄枠さえも繊細に美しい。
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レセプションが始まるちょっと前に到着しました。窓から入ってくる日差しが清々しく、長野に似ているなあ…と感じました。空気が澄んで冷たく緊張感があるところ、湿気が少ないところ等、気候が似ているのです(アルメニアの方が冬は比べ物にならないぐらい過酷なのですが)。
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私の展示は前回と同じ場所です。今回はアルメニアの人形作家さんと交互の展示となりました。
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昨年にアルメニアドレスの人形を作った時、彼女らをこの博物館に連れて行きたいと強く願っていたのでとても嬉しい。素晴らしい収蔵品のあるこの博物館、ここで展示をしても恥ずかしくないものを作たかった。私が日本の着物の生地を使って作ったアルメニアドレスの少女をアルメニアの皆さんはどう感じるのでしょうか。
アルメニア作家さんの作品を挟んで二人の少女が呼応するようなポーズで展示しました。
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アルメニア人作家さんの人形はスキタイの王様と妃たち、チンギスハーンと妃たち、だそうです。チンギスハーンの妃の一人は日本人だとかで、そういえば日本風ですね。でもそんな話は私ら日本人達はみんな初めて聞いたのですが、ホント?
開会のあいさつには日本国大使が来て下さいました。早めに来て下さったので、作品の説明なんかさせていただきました。2年前にアルメニアのギャラリーオーナーさんが私の振袖のお人形の着物の模様を見て「アルメニアの模様と共通するものがありますね」と言った事、ハチカル(アルメニア独特の美しい模様彫刻のある石碑)を見た時、絞りで作り出す模様と似ていると感じたこと、帽子と胸当てに使った西陣織は京都の職人がペルシャやトルコなど(つまりアルメニアを中心としたあそこら一帯)の高価な絨毯や敷物を研究した織物であること…等々。絨毯云々は昨年の個展時に近世のそういった風俗研究をしている方からの受け売りですが、ね。
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しかし私のこの話を聞いた大使は『よっしゃー!今回のご挨拶の掴みはコレでいける!』と思ったんでしょうね、さっそく皆さんに向けてスピーチ。私もお話した甲斐がありました。Tさん、あなたからの受け売り、大使にも売りましたよ。
 私のアルメニアドレス人形は大変好評で、皆さんとても嬉しそうに褒めてくださいました。「こんなのはアルメニアのドレスじゃない!」と冷笑されるかと心配していましたが、男性も女性も、若い人も年上の方も、大変喜んでくださり、ここでも「にわかオバちゃんアイドル」になれました。

賑やかで晴れがましいオープニングを2つこなし、私たち日本人達は公園の中の素敵なカフェで一休み。そこで、その日がお誕生日だという人が2人いることが判明。カフェのお兄さんにお祝いのケーキになるようなものがあるかと相談したところ「任せろ!」。しばらく待っていると素敵に盛り付けた果物のお皿が!
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そして一人用のケーキを組み合わせて華やかにしてろうそくと花火を飾り付けてくれた物を運んできてくれました。
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こういう細やかな心使い、優しい気持ち、「アルメニアあるある」なんですよね。
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再び岩の国へ1 [ア−トとの遭遇]

あたふたと旅の後始末をつけているとブログまで手が回らなくなりました。が、なんとか少しは画像を整理できたので、旅日記始まり始まり…。
素敵な晴れ空、飛行機の下に広がる日本の端っこ。いざ、海を越えて大陸を越えてアルメニアへ!
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アエロフロートの食事を美味しく頂く(前回は帰り便で激マズの食事にご対面。行はナリタで仕込んだ食事だけど帰りはモスコー製のお食事、噂にたがわぬお味でした)。
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大陸上空では何回か光り輝く河を見ました。のたうつように蛇行し、三日月湖を従わせる姿。河って生き物なんだなあ…。
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アルメニアの首都エレバンに着いたのは夜中。ホテルのテラスから外を伺うと、なんとなく見覚えがあるような。今回のホテルはもしかして2年前のホテルと近い場所なのかな?
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翌日起きて再度テラスへ。見覚えがある建物を発見。2年前のホテルの前の公園に沿って建っていた古い建物では?
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朝食後、アート展会場への搬入前にちょこっと時間があったので散歩に出かけました。私の感は当たっているかな?  おお!見覚えのある建物発見!
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ここをまっすぐ行けば2年前のホテル…当り!ホテルの前にはとても気に入っていた素敵な公園。懐かしい…。
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そうとなれば「勝手知ったるエレバンの街角」、角を曲がってちょっと行けばスーパーマーケット。
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エレバンの街は壁のように建物が続くけど、所々にアーチ形の通り道があり、奥は静かな住宅地になっています。アーチの中にも素敵な看板が。アルメニアは経済的にはまだまだ苦しいのでしょうが、暮らしを素敵にする美意識が高いようです。
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中の住宅地。手すりみたいな太い管はガス管だそうで、いたるところでガス管を見ます。田舎でも家ごとの区画なのかと思えばガス管でした。
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会場へ搬入する前に、日本国大使館へご挨拶に伺いました。私の人生で大使館にご挨拶に行くことがあるなんて!!
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エレバンでのアート展は2会場ありました。まずはアルメニア国立芸術大学のホール。芸大では絵画彫刻デザインの他に服飾なども学べるそうな。
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もう1会場は2年前にも展示した民族伝統工芸博物館。ここで見たアルメニアの伝統工芸のレベルの高さにびっくりしたので、ここで作品を展示してもらえることはとてもうれしいです。
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展示し終わって、明日がレセプション。博物館からホテルまではちょっと遠いので地下鉄に乗って帰ることになりました。地下鉄の駅まで歩いていくと、途中に地下道が。階段にはこれまた懐かしい、古本の店が…。
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地下鉄ではプラスチックのコインのような切符を買い、それを改札口に投入するとバーが回転して構内に入れます。下りのエスカレーターは超高速。事故、起きないのかなあ…。
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到着した駅から地上に出ると…2年前にも来たことがある駅でした。すっかり忘れてたけどここから乗ったのね。
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更に階段を上れば…共和国広場!ここから私たちのホテルはとても近いのです。土地勘があるのでここまでくれば、もう(私は)迷子の心配はありません!えっへん。
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その後は初めて来た人たちと、街をちょっとブラブラして夕ご飯を食べて早めのお開き。みんな長旅でくたびれていたし、明日は2会場でレセプションなので、パワーをキープしとかないといけないしね。
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「星めぐり展」の作品 [ア−トとの遭遇]

昨日搬入してきました。ぎりぎりで2作品が完成したので展示した様子をアップします。猛烈に暑いんでこのためだけに銀座に来てね、とはお願いできないんですが、まあ、何かのついでがあったら見に来て下さいな。
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「星めぐり展」のお知らせ [ア−トとの遭遇]

アワアワと額縁箱を作っていたのは明日からの「星めぐり展」に展示するため。なぜこんなに慌てふためいているかというと参加するのを決めたのが2週間前だったから。まだ泥縄を綯っている最中なんですが。星座の冠の少年2体をそれぞれ額縁箱に収めて展示します。
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アート展なので他の作家さん達の分野違いの作品も楽しみ。銀座にお越しの折にはぜひお寄りください。
●星めぐり展
会期:7/13(木)~7/18(火) 12:00~18:30(最終日17:00まで)
会場:Gallery銀座一丁目 中央区銀座1-9-8奥野ビル4F
※参加が遅れたためDMに私の名前はありません。

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たば塩で遊牧民 [ア−トとの遭遇]

たば塩こと「たばこと塩の博物館」へ久々のお出かけ。「西アジア遊牧民の染色」というお題で絨毯、キリム、塩袋、テント袋などが展示されています。絨毯とかキリムとか、専門店でじっくり鑑賞するのは度胸がいる。その点、博物館はどんなにしつこく眺めていても大丈夫。じっくり見てみると模様の中に楽園が描かれているのがよく分かり、この敷物と共に遊牧する民となったワタシを妄想するのはとっても楽しい。右と左と同じ模様の絨毯がそれぞれの側で技の優劣があったり色味が違っているのはきっと親子で並んで作ったんだろうな。親に怒られたり褒められたりしたんだろうな(もちろん私の妄想)。
実際に使われていた塩袋(今回の展示物)は装飾らしきカラフルな房がいくつも付いている。現地でお土産品として売っている袋(博物館が以前からコレクションしていた物)には付いて無い。厳しい遊牧の暮らしの中でもこんなおしゃれを凝らすのはどこの誰でもみな同じなのね。
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棚からフグ刺し [ア−トとの遭遇]

「一緒に行くはずだった人の都合がつかなくなっちゃったので」ということで誘われてしまいました、NODA・MAP公演”足跡姫”。キャストは宮沢りえ、妻夫木聡、古田新太、佐藤隆太、鈴木杏、池谷のぶえ、中村扇雀、野田秀樹。ええー!ゴーヂャス!!行きます行きます、池袋!  見終わって…大満足。面白かった~。テンコ盛りのお話が疾走して疾走して最後まで一気に突き進んでいく。舞台美術や衣装もとてもきれい。ああ、このラッキーは棚から「牡丹餅」なんてもんじゃない、フグ刺しの大皿が一糸乱れず落ちてきたってもんだわね。満腹~!。
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