SSブログ

潮の騒ぐを聴け [紙魚の本棚]

「うなぎ」こと小川雅魚さん。松山先生の傘寿のお祝いで初めてお会いしました。「美味しい魚を食べきれないほど食べたんだよー。」と口角を上げながら満足そうにお魚たちの画像を次々見せてくれました。名古屋方向のどこか海に近いところに住んでいるらしい洒脱なその人は、その陽気さでお祝いの席を一層楽しくして行きました。うなぎさんの本業は大学の先生。ところが今年になってエッセイを上梓されました。評判が良いと聞いていたので是非読みたいと思っていたら気前良く送って下さいました。
 本を開くと早速お魚、野菜、それらに纏わる思い出話が子供時代、青年期、ちょっと前、と、時間を自在に泳ぎ回ってキラキラした一皿となって供されます。なるほどシェフの腕前は評判通り。行間に豊かで明るい海の風景が見えてくるのはうなぎさんとその仲間たちの人柄からか。〆の一編は池永正明さんに会った話。これ、私にはとんでもない「隠し球」でした。うなぎさん、ごちそう様。
小川雅魚著「潮の騒ぐを聴け」風媒社  
PA0_0302.JPG

nice!(0) 

nice! 0